A夫は、仕事一筋・真面目で子煩悩の夫で、ゴルフを趣味としていたが、社交ダンスを始めるようになった。……そしてダンス教室においてA夫はB子と交際するようになり、A夫の妻に対しても公然と交際するようになった。……A夫はアパートを借りて住み、B子も家を出て同棲するようになった。 ‥‥東京地裁判決文から |
‥‥保険契約者が不倫相手を保険契約の受取人に指定したことは不倫関係の維持継続を目的としたものであり、また、その保険金は受取人の生活を保全する役割を果たすものでもない。よって、保険契約中、受取人指定部分は公序良俗に反し無効である。したがって、受取人は保険契約者自身と解釈されるから、保険契約者の死亡により、保険金支払請求権は保険契約者の相続人である原告らに帰属する。‥‥東京地裁判決・平成8年7月30日 |
‥‥妻子のある男性がいわば半同棲の関係にある女性に対し遺産の三分の一を包括遺贈した場合であっても、右遺贈が、妻との婚姻の実体をある程度失った状態のもとで右の関係が約六年間継続したのちに、不倫な関係の維持継続を目的とせず、専ら同女の生活を保全するためにされたものであり、当該遺言において相続人である妻子も遺産の各三分の一を取得するものとされていて、右遺贈により相続人の生活の基盤が脅かされるものとはいえないなど判示の事情があるときは、右遺贈は公序良俗に反するものとはいえない‥‥最高裁・昭和61年11月20日 |
‥‥保険契約者が保険金受取人を変更する権利を留保する場合において、保険契約者がする保険金を変更する旨の意思表示は、保険契約者の一方的意思表示によってその効力を生ずるものであり、また、意思表示の相手方は必ずしも保険者(保険会社)であることを要せず、新旧保険金のいずれに対してもよく、この場合には、保険者への通知を必要とせず、右意思表示によって、直ちに保険金受取人の効力が生じるものと解すのが相当である‥‥最高裁判決・昭和62年10月29日 |