相続遺言判決実例集…(広島高岡山支決・昭和48年10月3日家月26巻3号43頁)


  • (広島高岡山支決・昭和48年10月3日家月26巻3号43頁)
 

(広島高岡山支決・昭和48年10月3日家月26巻3号43頁)


 (広島高岡山支決・昭和48年10月3日家月26巻3号43頁)

「(1)退職金,役員功労金○○会病院の職員退職金給与規定,役員功労金規定,同病院長の報告書によると,右各金員は民法の相続規定と異った範囲および順位によって遺族に支給されることが認められるので,遺族たる受給権者が固有の権利として取得するものであって,遺産には属しないものと解すべきである。しかし右金員はいずれも被相続人の生前の労働,貢献に対する対価であり,殊に退職金は賃金の後払い的性格を有し,その実質は遺産に類似するものであるから共同相続人間の公平をはかるために,これを特別受益とみるのが相当である。原審判もこれを遺産ではないが特別受益であるとの判断をしているが,具体的相続分算定に際し,これらを現実の遺産の評価額に加えていない点において失当である。(2)特別退職金岡山県○○会職員未払給与積立金規定によれば,給与の一部を○○会に積立てた職員は,退職時に積立金とこれに対する所定の利息を受取る(これを特別退職金という)こと,当該職員が死亡した場合の受取人の定めのないことが認められ,職員と○○会との間の消費貸借契約の終了に基づく返還請求にほかならないから,右は遺産というべきである。したがって,これを遺産ではないとした原審判は失当である。(3)退職者遺族共済金○○会の退職者遺族共済規約によれば,退職者遺族共済金については被相続人が生前に掛金の一部を拠出していることが給付の要件となっているが,受給者の範囲,順位を別に定めていることが認められるので,受給者の固有の権利とみるべきで遺産とはいえないし,また制度の趣旨から特別受益とみるべきでない。したがって,これを特別受益とした原決定は失当である。(4)生命保険金○○生命保険相互会社○○支社の報告書によると,本件保険契約は被相続人が自己を被保険者,抗告人xを受取人と定めたものであることが認められるので,同抗告人は固有の権利として生命保険金を取得したもので,遺産に含まれないし,保険契約の趣旨から特別受益とみるのは相当でない。したがって,これを特別受益とした原決定は失当である。」

 


 

 


 

 
相続遺言判決実例集