●相続分が無いことの証明書 私は、被相続人からすでに相続分を超える贈与を受けていますので、被相続人の死亡による相続について受けるべき相続分のないことを証明します。 平成○年○月○日 山田花子 印 |
●証明書 私は被相続人の相続財産については他の財産を取得したので次の不動産については相続分はありません。 平成○年○月○日 山田花子 印 |
■生前贈与を受けた事実がないにもかかわらず、贈与を受けた旨の内容虚偽の「相続分なきことの証明書」に押印したとしても、それにより相続分を失うことはない。 (名古屋地裁判決昭和50年11月11日) ■利害関係人名義の証明書には「被相続人より相続分に等しい贈与を受けているので、被相続人の死亡による相続につきその受くべき相続分はない。」の記載のうえ、同利害関係人の署名押印があるが、同書面は、抗告人側の圧力によって、やむをえず作成されたもので、必ずしも同利害関係人の真意に出たものといい難いことは、本件記録によって明らかである。 かりに、利害関係人において、生前贈与を受けたことを理由に相続分のないことを認めた事実があったとしても、現在利害関係人が相続分のあることを主張し、これに副う遺産の分与を求めている以上裁判所は持戻し贈与にあたる生前贈与があつたかどうかを検討し、これがなければ法定相続分により分割を実施すべく、あればこれを斟酌して民法903条の相続分を算定し、これに従った分割をなすべきである。 (大阪高裁決定昭和40年4月22日) ■共同相続人において被相続人名義の不動産を、1人の相続人の単独相続に困る所有権移転登記をするために、他の相続人が事実に反する特別受益者証明書を交付した場合は、その者が共同相続人として右不動産に対する自己の持分権を相手方に贈与したものと認めるのが相当な場合が少くなく、本件においても、前示認定の事実によれば、Aは、Bの求めにより、同人において本件建物を単独で相続することを承認し、その登記手続をさせるために前掲特別受益者証明書を作成交付し、以って本件建物に対する持分権を贈与したものと認めるのが相当である。 (大阪高裁判決昭和53年7月20日) ■相続分を超過する財産の贈与を受けた受贈者が作成した相続分がない旨の書面を添付して、他の相続人から相続登記の申請があったときは、その申請を受理するのが相当である。 (昭和8年11月21日民事甲1314号民事局長回答) |