Aさんは「ここにずっと住んでいたことがあるし、その後も父母の生活費負担をしていたから、生計が同じ家族のようなものだ。その家族が住んでいたのだから居住用財産の譲渡だとしてもいいではないか。」と主張します。 税務署側は「Aさんが昭和50年までは居住していたかもしれませんが、その後は住んでいません。確かに生計が同じ家族の誰かが住んでいれば、居住用財産の譲渡と認められることもあります。しかしAさんは昭和54年にお父さんが亡くなってその相続によりはじめて所有者になったのです。そして所有者になってからは居住していません。居住用財産の譲渡特例は所有者として居住していなければ使える余地はありません。だからだめです。」 国税不服審判所は、税務署側の主張を認めて、課税処分を支持しました。(平成10年12月22日国税不服審判所・裁決) |